私らしくて使いやすい~キッチンの作り方~セミナー

 

STEP3 実践! キッチンリフォーム事例

 
実践!ということで事例を紹介しながら細かい説明をしていきたいと思います。
今回は自宅の事例を紹介させてください。
我が家は2年前にちょうどリフォームしたばかりで
夫婦ともにキッチンスペシャリスト・インテリアコーディネーター・二級建築士の資格を保有している二人が自分たちの暮らしやすさを中心にすえて、とことんこだわって作ったキッチンの隅々までの写真を、丸ごとお見せしようと思います。

私たちのこだわりは、もちろん皆様のこだわりとは違いますが、なかなかよその家のキッチンの中身を見る機会もないと思いますので、 自分だったらどうするか? という気持ちで置き換えながら見ていただくと、自分なりのこだわりが見えてきてきっと実践的なアイデアにつながるのではないかと思います。

では、さっそくいきます

まず、ビフォー。 
さきほどのSKSK「寒い」「暗い」「狭い」「片付かない」の典型的な北側のお部屋のダイニングキッチンです。
これを、南側の広い部屋に移設してLDK一体のオープンキッチンとしました。

わが家の家族構成ですが、私たち夫婦と、子どもが3人、子どもたちと一緒に料理をしたりもしますので、複数人で使えるキッチンであることが前提でした。
そして、私は働く主婦ですので家にほとんどいないのですが、朝起きてすぐにキッチンに立ち毎日お弁当と朝ごはんを作り。そして夜は7時から8時半の間に帰ってきて急いでご飯作ってこどもたちに食べさせて寝させるまでほんの数時間。その間キッチンに立ちっぱなしです。家にいる時間のほとんどをキッチンに立っていることになるので、壁を向くのではなく、対面式で、常に台所仕事をしながら子どもたちになんやかんやと声をかけていける場所にしたいと思いました。

そこで、私たち夫婦がキッチンリフォームする際にかかげたこだわりはこの4つです。

1、 居心地
2、 デザイン性
3、 家事時短・ミニマム動線
4、 使うための収納

まず、1、居心地です。
家にいる時間のほとんどをここに立っているわけですから、居心地良く、たち心地よく、そして足腰に優しい場所とする必要がありました。

そしてデザイン性
部屋全体をリフォームしたので、床、壁、天井、カーテン、そして家具と、すべて自然素材にこだわりました。そのナチュラルテイストのLDKの真ん中にドカーンと据えるキッチンです。
レトロナチュラルな雰囲気のただよう置き家具のようなキッチンをめざしました。

3、家事時短、ミニマム動線 
 忙しい毎日の中で、いかに短時間に料理をし、いかに無駄な動きをせずに済むか を徹底的に実現してみました。
おかげで、毎晩、子どもの習い事を迎えて一緒に帰宅して、子どもがお風呂に入っている20分から30分の短時間で、晩御飯のおかずを3品も4品も作れます。私はfacebookをしていて、よく晩ごはんの画像など載せているのですが、皆さんにどうやったらこれだけの品数をそんなに短時間で作れるの??といつも驚いてもらっています。

4、使うための収納。
キッチンは、使う場所です。しまう場所ではありません。
自分のもちものをくまなくリストアップして、それらをとにかく使いやすく配置、よく使うものはワンアクションで取り出せることを重視して収納計画をしました。

以上のこだわりを、図面や実際の写真などをみながら説明していきたいと思います。

まずレイアウトですが動線重視ですのでワークトライアングルが短くなるように、ガスとシンクをわけた二列配置にしました。そして、対面は対面でも、左右どちらからでも近いほうからキッチンと食卓を行き来できるアイランド型です。対面キッチンのいいところは、反対側の壁側に食器棚がつくれるのでキッチンから近い位置に収納がたっぷりとれることです。
ワークトライアングル+食卓+食器棚の動線をミニマムにできる配置にしました。

寸法的なことですが、二列配置の距離は、複数人で調理するときは120センチがいいなどと書かれているものを見かけますが、私は120センチは広すぎると思います。

我が家は100センチで計画しましたがこれがドンピシャ。
とても使いやすくて気にいっています。

二列配置は床の汚れに関してよく質問されるのですが、今のところ、特に毎日神経質に拭き掃除することもなく、汚れも気になりません。
性格的に雑なので、時々 シンクの中で食材をざるで水切りしてるままコンロに持って行こうとして、床をバシャバシャ濡らしてしまっては反省するのですが、ざるで移動しない限り、普通にまな板(薄い下敷きタイプのものを使用)やボウルでの移動すれば、そう水が落ちることはないです。床の汚れを気にして二列配置をためらっておられる方にはぜひ、背中をおしてさしあげたいです。

つぎに、高さです。
いろいろ調べるとキッチンの高さは身長÷2+5cmがいいとか、ひじの高さ-14センチだとか、ほかにも諸説書いてあり、本当に迷うところですが、私の独断目安では、小さく前ならえしたときの手の位置より-10センチがおすすめです。

自然とカウンターの上に手を置いて立つのに楽な高さなので、洗い物、包丁作業はそれでちょうどいいと思います。それではこねる作業が難しいと言われるかもしれませんが、週に何回ハンバーグ作りますか?それともパンをてごねしますか? そういう時はダイニングなりシンクの中で高さをうまく調整して行えばいいと考えます。
また、加熱調理のほうは、もしも調理台と高さを変えれるなら、一番いいのは、さきほどの調理台の高さよりも-4、5センチ。ガスだとごとくが数センチぐらいあるので、そのぶん加味してさらに-2,3センチがいいと思います。
この高さ寸法を失敗すると、洗い物の時に、おなかがびしょびしょにぬれてしまったり、五徳の上に置いた鍋が混ぜにくいなどと使いにくくなってしまいます。そしてなにより、足腰、肩に負担がかかってしまうので重要です。
もうひとつ、足腰にやさしいという部分で見落としがちなのが、床材です。ずっと立ち仕事をする場合、床が硬すぎると足腰にきます。汚れのことやデザイン性を考えてキッチンの床を硬いタイルにされる場合もよくありますが要注意です。床はなるべく柔らかい樹種の無垢の床が足腰にもやさしく、冬は暖かく梅雨時もじめじめせずとても気持ちよく使えます。

つぎに高い位置の棚の高さ、

実用的な高さ、つまり踏み台なしでつかえる最高の高さは、かかとをつけたまま手を挙げた時に棚板のちょうど上までです。これなら、背伸びしたら「とってのついたカゴ」なら踏み台なしで下すことができます。
これよりたった数センチでも高くしてしまうと、実際には日常使えない棚になってしまうので要注意です。

では、その他のキッチンにたいするこだわりを実際の写真を見ながら説明します。まずは、アイランド部分から。

① 水栓はTOTOさんのタッチ水栓を採用しています。
シンクの上で水を出したり止めたりの操作ができるので、水栓立ち上がりのワークトップが濡れたりしないし、背の低い子供でも届きやすいので便利です、なんといってもワンタッチの操作性は大変楽です。

② 手持ちの家電製品や食器類は最初にすべてリストアップしてどこに収納するか考えて作ったキッチンなんですが、ユニークな定位置は、ルンバのホームベースをキッチンの下に設置しています。
お掃除が終わったらいそいそとキッチンの下のおうちに帰っていくルンバの姿はとてもかわいいです。

③ トースターはキッチンよりは、なるべく食卓に近いところが便利なので少し変わった場所ですが、キッチンの側面に組み込んでいます。使う時はスライドして引き出して使います。

④ 食卓まわりに必要な、箱ティッシュ、リモコン類、電話の子機やスマホの充電器などもアイランド側に組み込んで置けるように設計して、雑多なものがダイニングテーブルの上に散らからない工夫もしています。

次に、壁側のこだわりです。

① 食器棚のキャビネットの高さですが、てっぺんはあえて天井から少し下がった高さでデザインしています。これだけで、圧迫感をおさえ、天井が奥まで見えることで部屋が広く見えお部屋全体の印象がずいぶんかわります。

② わが家のキッチンのデザイン的なポイントはこのレトロナチュラルなモザイクタイルです。名古屋モザイクさんの人気タイル コラベルです。自分で色の配合を決めてモザイクにできるので悩みに悩んで決めたオリジナル配合のタイルです。

コンロ前にタイルを貼ると目地の汚れが心配かもしれませんが、今はむかしの目地と違って汚れにくいキッチン用の目地材が出ているのでそれを使えば汚れは大丈夫です。タイルもいろいろなものが出ていますので、ぜひ、タイルでデザイン的な遊びを取り入れていただきたいと思います。

③ あと、細かいところですが、ガスコンロと食器棚のカウンターの高さの段違いの立ち上がり部分、これをステンレスでたちあげているのですが、コンロ周りはやはり汚れやすい部分ですのでこういうちょっとした工夫はお掃除をずいぶん楽にしてくれます。

④ そして、わが家自慢のミニマム動線はこれです。食洗機から食器棚までの距離がこの通りわずか10センチほどです。まったく一歩も動くことなくどんどん、食洗機で洗いあがった食器を引出しや棚におさめていくことができます。

では、最後に収納をいっきにみていきます。

お恥ずかしいのですが全部見せますと言った通り、全部写真をとってきました。
まずはアイランド側、

こだわりは、毎日使うデイリーユースの鍋とボウルの棚に扉をつけていないところです。(写真:左下)シンク横にある棚から片手鍋をだして、水道で水をいれはじめるまでにかかる時間はたったの2秒ぐらいです。まさにこだわりの「よく使うものはワンアクションで」、の実現です。

そして、もうひとつ特にお伝えしておきたいところは、シンク周りの隠し方です。

手元を隠すことなくオープンなアイランドキッチンにされる方が全員抱える悩みにこの3つの悩みがあります。

まず、まな板はどこにたてかけて乾かすのか?
洗いかごが、ずっと食卓側から丸見えなのか?
シンクの中の三角コーナーの生ごみが丸見え? という問題です。

この解決策をちゃんとしないままに手元の立ち上がりの無いオープンなキッチンを選んでしまうといつも散らかって見えて「失敗した~」ということになりかねません。

私は、その解決方法を事前に考えてからキッチンを設計しました。
解決方法1 シンク下にステンレスパイプで棚を作りました。
シンク下をオープンにして、ゴミ箱スペースにする案はよくやる手なのですが、
その、ゴミ箱の上に一段風通しの良いパイプ棚を作っています。
まな板は洗ってさっと水けをとったらこの棚に隠しながら乾かすことができます。
ほかにも、ハンドソープやスチールたわし、水筒を洗う柄のついたたわしなど
シンク周りに常時いてもらっては邪魔だけど、引出しの中にはしまいこみたくない水回りものの定位置となっています。

そして、解決方法2 水切り籠と三角コーナーの扱いについては、私はおもいきって、使わないことにしました。
場所をとる水切り籠の代わりに超吸水マット、
生活感まるみえの三角コーナーのかわりに蓋つきのミニゴミ箱で対応しています。

それでは、反対の壁側の食器棚とガスコンロまわりにいきます。
一度に写真が貼れなかったのでまずは上半分です。

高い位置の棚は、手掛かりのあるカゴを使ったカゴ収納を中心にしています。
そして、目線の高さは茶わんや汁椀、メイン皿などの毎日使う食器たち
レンジ、コーヒーメーカー、炊飯器やノンフライヤーやホームベーカリーなどの家電製品はサイズをはかって設計しているので、きれいにおさまっています。
次に低い位置の収納です。

わが家の収納物の特徴として、お酒のストックが多いので、お酒専用の収納ワゴンをビールの箱や一升瓶の大きさにあわせて作っているのが特徴です。(写真:左下)キャスター付きなので便利です。
食器類は、個別盛り派なので、大皿のたぐいは普段ほとんどつかわないのでとりだしにくいけど一番上に、そのかわり、小さな小鉢やお皿は5枚から6枚重ねて収納できるように深めに設計した引出しにいれています。(写真:左から二列目真ん中)小さ目の食器は引出しに収納すると、引き出して一番奥のものもさっとまとめて取り出しやすいので、棚に収納するよりも大変便利です。

あと、よく使うものはワンアクションで、のこだわりから。フライパンはコンロ横に専用の引出しを作っています。(写真:左から3列目下)フライパンを出して火にかけるまで、やはり2秒もかからないです。鍋は水を入れるのでシンクの近くに、フライパンは水を入れないのでコンロの近くへさっととりだせるように考えて配置しました。

全体的に、キッチンツールなども、木べらやフライ返しなど火のまわりでつかうものと、皮むき器、スライサーなど水まわりで使うものにわけて、それぞれコンロとシンクの近くの引き出し分けて収納しています。使いたい時に使いたい場所で、とにかくすぐに出せるのが家事時短のひけつです。
以上が収納事例です。

ひとのこだわりをみていると、ふしぎと自分のこだわり、大切にしたいポイントがみえてくるものなので、自分なりの実践的なアイデアにつながるのではないかと思います。
キッチンが、自分仕様で使いやすくなると毎日の暮らしが楽しくなるはずです。

あなたらしいキッチンでぜひ、楽しい暮らしを手に入れてください・・・

以上、長文、最後までおつきあいいただきありがとうございました。
<キッチンスペシャリスト・インテリアコーディネーター・二級建築士 松本理絵> 

 

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