なぜ、パイン材無垢をおすすめするのか
ミヤカグのオーダー家具は、ポンデロッサパイン材というパイン材を使って製造することが一番多いです。
なぜ、パイン材なのかをお伝えするために、まずはパイン材の特徴をあげていきます。特徴をわかりやすく書くために、オーク材(ナラ)との比較をしてみます。
どちらも北欧家具などに昔から使われるナチュラルスタイルの代表格のような白っぽい木です。
パイン材 | オーク材 | |
木の色 | どちらも北欧スタイル、ナチュラルスタイルに似合う白木である。 白っぽい木なので着色する場合きれいに色がのる。 |
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種類 | 針葉樹 | 広葉樹 |
価格 | 無垢材のなかでは安価 つまりコスパが高い | 高価なので総無垢で作るとかなりの高額になってしまう |
木目 | 節があり木らしさが味わえるものが多い 優しい印象 | 節がない、またはあっても目立ちにくい クールな印象のものが多い |
硬さ・ 感触 |
柔らかい木なので空気を多く含み、触り心地があたたかい | 硬めの木なのでパイン材に比べると触り心地は冷たい |
香り | 針葉樹は木の香が高い 癒しの効果が期待できる | 針葉樹に比べると香りは少ない |
使い こむと |
全体的に油分が多いので使っていくうちに艶がでていい風合いになる | 使い込むほどに落ち着いた色合いになる 傷も付きにくく耐久性がある |
以上の比較のとおり、それぞれ木によって特徴があります。
ミヤカグでは、①なるべく総無垢で作りたい場合 や ②触り心地のよい天然素材らしい木の家具を作りたい場合にパイン材をおすすめすることが多いです。
Webに掲載している事例はパイン材の実例を多く掲載していますが、実店舗ではオークや栗、ウォールナットなど他の材種のオーダー家具もたくさん制作しています。
気になる方はお問い合わせくださいませ。
そんな私どものおすすめの材料、パイン材ですが、パイン材の中にも種類がいろいろあります。その中でもミヤカグはポンデロッサパイン材を使用しています。
その一番の理由は、ずばり「しっとり感」。いろいろなパイン材を見てきましたが、全体的な油分の含み具合からおこる、使えば使うほどにでてくる艶としっとりした触り心地はポンデロッサパイン材が一番だと思います。パイン材の中には私どもは「サクサクしている」と表現しているのですが目が粗くとても簡単に傷つきやすい材料もあります。(例えば、通販などで見かけるとても安価なパイン材の家具などに使用されている材料です)
ポンデロッサパイン材はパイン材の中でも傷つきにくい粘りのある材料です。価格と質のバランスがいいオススメの材料です。
おすすめ!オイル仕上げ
ミヤカグの家具はオイル塗装(=オイル仕上げ)です。
パイン無垢材を使いこんでいくうちに艶のあるしっとりとした触り心地にしていくには、オイル塗装がとても相性がいいのです。
オイル塗装にはメリットも沢山ある一方、デメリットも実際あります。
ウレタン塗装との比較を書いてみますので、もしも今、ミヤカグの家具をご検討くださっているなら、これから先、オイル塗装の家具と長いお付き合いをされる前に、ぜひ、読んでみてください^^
それぞれのメリットデメリットを知った上で、生活スタイルによってはオイル仕上げのデメリットのほうが気になるという方にはもちろんウレタン仕上げも承りますので、ご相談ください。
■オイル仕上げ
オイル仕上げは木の表面に植物油を薄く塗りこむ塗装方法です。
まったくの純粋な植物オイルを使ってもいいのですが、乾きやすく塗りやすく加工してあるドイツ製のもの(主にはオスモカラー)をミヤカグでは使用しています
<オイル仕上げメリット>
・表面を膜で覆っていないので手触りが 木のそのまま!(これが一番のメリット!)
・木が呼吸するかのように部屋の調湿をする
・有害な化学物質を含まない
・使うほどに味がでる
・へこみやすいが、戻りやすい
・再塗装が容易で自分でできる
・塗膜を作っていないので何年たっても劣化で塗装がはげることはない
<オイル仕上げデメリット>
・塗膜がないので、急激な乾燥などで割れ や反りが発生することもある
・しみや汚れがつきやすい
ほとんどの汚れはすぐに拭き取れば問題ありせんが、濡れたスチール缶と赤ワインだけは要注意!
・数年に一度はオイルの塗りたしが必要
■ウレタン仕上げ
木の表面にウレタン樹脂という薄く透明な膜を作る塗装方法です。
既製の量産家具はほとんどがこの塗装方法です。
その他UV塗装などもウレタン塗装を強くしたような性質で樹脂で塗膜を作ることには変わりありませんので性質は同じです。
<ウレタン仕上げメリット>
・表面に硬い膜をつくるので汚れやしみが付着しにくい
・定期的なメンテナンスの必要なし
・木の呼吸を抑制するので割れや反りが発生しにくい
<ウレタン仕上げデメリット>
・オイル仕上げに比較して高価
・どんなよい木を使った家具でも触っているのはプラスチック樹脂の膜(←これが残念な点!!)
・化学物質を含む
・古くなると(20年ぐらい?)劣化により表面の樹脂がはがれてくる
・再塗装は工場持ち込みの必要あり
実際に、オイル仕上げの家具を使ったことのない家具屋の店員さんなどに「オイル仕上げはキズがすぐにつく。とくにダイニングテーブルなどは絶対にやめたほうがいい」などと言われて不安になって私どものお店に来られる方もたくさんおられますがダイニングテーブルこそ、オイル塗装をオススメします。
オイル塗装の家具は先ほど書いたメリットを享受するためには触ってなんぼです。
手触りが気持ちいいのが一番のメリットです。テーブルとかデスクとかイスとか、実際に体が触れるものこそ、オイル仕上げをおすすめしたいです。
あと、もうひとつ、オイル塗装はぴかぴかした表面ではないということで視覚的にとてもよいことがあります。それは、ほこりや汚れが目立たない、ということです。毎日お掃除される方には関係ないですが、キャビネットなどの上のほこりや、扉の表面にどうしてもついてしまう手あかなどがめだたないので、お掃除苦手な方には最大のメリットかもしれません。また、ダイニングテーブルをオイル塗装にされると、やわらかに光が反射する関係からお料理がおいしく見えるというメリットもあります。
家具作りの基本を大切に
これから書くことは家具職人に言わせると、どれも当たり前のことで、わざわざ書くほどのことではないということですが、そこをあえて書かせてください。
●いい材料を使う・・・家具の材料は狂いの出ないようにしっかりと乾燥し管理されたものを使います。建築用材で含水率20%に比べ、家具用材は7%くらいまでに乾燥させますので、家具用材が高価なのもうなずけます。ミヤカグが使用しているポンデロッサパイン材は、はぎ材と呼ばれるもので、幅150mm前後の板が横にはぎあわされていて縦には継がれていない板を使用しています。幅広はぎ材は、集成材などとは比べ物にならず木目がきれいに見え本物の木の良さを感じることができます。
●木目を活かす・・・せっかく自然の木を使って作るので、木目を活かすことは大切です。たとえば、引き出しの前板は、1枚の通し材で作ります。そうすることで、隣あった引き出しの木目はつながり、木目を活かした美しい仕上がりになります。また、テーブルやデスクの天板は材料の中でもとりわけ木目の美しいものだけを寄り取って制作します。
●使いやすいものであること・・・世界に一つのオーダー家具を作れるので、デザイン的に好きなようにできるのはもちろんですが、家具は使うものです。今まで地元密着でたくさんの家具を作り、お客様とも長いおつきあいをさせてもらっているので使っていく上での気づきも多くいただいております。それらの経験を踏まえて、使いやすいように考えてデザイン、金具などの選定をさせていただきます。たとえば、毎日何度も開け閉めする食器棚などは多少コストがあがっても、ソフトクローズドの蝶番や引き出しレールを選択すると毎日快適に使用できます。
●仕上げは丁寧に・・・無垢のぬくもり、触り心地の良い仕上げのために、丁寧に想いを込めてひとつひとつ大切に磨いて仕上げています。
技術は精度
●木取り・・・無垢材、とりわけパイン材のような針葉樹は、木のやせ、ふえ、まがり、そりなどがでやすい材料ですが、木目の流れや節の状態を読みながら、パーツごとの適材適所を見極めて木取りしていきます。この木取りを誤ると家具になった時の狂い、または使っていくうちのゆがみの原因となります。
●加工・・・オーダー家具=手作り家具だからと言ってすべて手作業でおこなうわけではありません。木工機械を使用し正確な加工をおこないmm単位の精度をだして作ります。その精度が、長年使っても狂いがなく、扉や引き出しの開閉に不具合がでず快適に使い続けていただける「家具のもち」につながります。
●おさまり・・・建築の現場でもよく使う言葉なのですが「おさまりがいい、悪い」というのは家具を作るときにも重要です。扉やひきだしをどうおさめるか。かぶせかインセットか。部材の取合いをどうするか。(部材同士が接触しあう部分をどのように組んでいくかということ)この各細部のおさまりは図面を描きながら考えていくところですが、経験と技術とセンスを要する重要なところです。デザイン上や機能面を大きく左右します。
オーダー家具だからできること
●既存の家具や建具、床などと、素材や色、デザインを合わせることができる
●梁や柱の突出などのイレギュラーな形に合わすことができる
●コンセントの位置や巾木の厚みなどをのがしてぴったりと壁につけることができる
●狭い場所、奥行きのない場所にも収納を作れ、有効な空間利用ができる
●中に入れるもの、持ち物や家電に合わせて収納計画をたてることができる
●照明やコンセントを使い勝手に合わせて組み込むことができる
●おしゃれな型板ガラスを使用してデザイン性をあげることができる
職人が直接打ち合わせ
オーダー家具の製造に関して、①コーディネーターが打ち合わせをし→②設計者やデザイナーが図面におこし→③職人が製造する というのが通常の流れですが、ミヤカグでは、打ち合わせを担当した者が図面におこし、そして実際に工場にはいって製造し、納品まで一貫して担当することを基本としています。打ち合わせ担当者が実際に工場に入り、熟練の職人たちと作業を分担して製造し、細部まで指示を徹底し生産管理をおこないますのでご安心ください。
お客様のこだわりをヒヤリングした者が責任をもって最後まで担当することは、細部のこだわりをオーダー品にきちんと反映させることができる一番の近道です。
そのために、ミヤカグの職人は、家具作りの技術を磨くことに加えて、土日には実店舗に立ち実際に接客し、インテリアコーディネーター・二級建築士などの資格を持ち、デザインを学び、提案力をつける努力を日々おこなっています。Webショップからのオーダーのご相談も、職人自らメール返答しておりますので細かい疑問点もなんなりと聞いてください。
インテリアコーディネーター・二級建築士・家具デザイナー・家具職人、そのすべてのスキルを備えた私たちにしか作れない家具をお届けいたします。
一緒に作り上げるもの
既製品が数多く出回っている中で、あえて図面からひいて一個作りというコストがかかる方法をとってまでオーダー家具を作る場合は、何かしら理由があると思います。
サイズや仕様、デザイン、使い勝手など何か既製品では満足できない理由がそこにはあります。
その「お客様の思い」をうけとめて一緒に形にしていく作業がオーダー家具作りの一番「要」の部分です。とくにその要の作業をwebを通しておこなう場合、丁寧にわかりやすく説明できるように精一杯努力させていただきます。メール、図面、写真、イラスト、お電話などいろいろな手段を通じてお互いに意思疎通していきましょう。
自分の思いが十分に反映されたオーダー家具はその家具を使うのがウキウキします。そんなオーダー家具になりうるよう、しっかりと打ち合わせを重ねてつくりあげていきます。
私どもは、使ってみて本当の良さがわかるオーダー家具作りをめざしています。
今までwebを通じてオーダー家具を作らせていただいた顔も知らない遠方のお客様が、ありがたいことに他の家具をまたリピートしてオーダーしてくださることが多々あります。そのたびに、「使ってみて良さがわかっていただけた証」だと大変嬉しく受け止めております。